51)『学生に与う』より「教育」「学校」 著:河合栄次郎 教養文庫
私達は、「教育」というものをどのように捉えているのでしょうか。
恐らく『人間形成の場』という理想は掲げているものの、実情は違うということが今の日本の現状ではないでしょうか。連日報道される若者の奇怪な事件は目にあまるものがありますが、ゆとり教育の軌道修正など政策としても行き当たりばったりのような感じを否めません。
果たして日本の教育は何を根幹にし、何に価値を置き、何を伝承しているのか。
それがはっきりとしていないことは、学生が「何のために勉強しているのか分からない」「勉強が楽しくない」「将来が分からない」といっている時点で、明確ではないでしょうか。つまりこれは、教育自体に、そして教育者自身がその意味を見出せていないことを証明しているのも同然ではないかと思うわけです。
本書の著者である河合栄次郎氏は、人格の陶冶(人間形成)と学問が対立している日本の教育を憂い、何故そのようになったかを、洋学が輸入された徳川幕府末期から明治期に遡って、明らかにしています。また、教育者の価値を教育者自身が軽視し、無視した結果、一介のサラリーマンと化したことを指摘し、「今日ほど教師道の廃れた時はない」と痛烈に放っている様は、教師を「聖職者」として神聖な職業と位置づけている河合氏の心中を察するに、耐え難いものがあったことと思います。(「人生の分岐点に立つ若人にひそめる心霊に点火して、これを人生の戦いに駆ること、世にこれほど神聖な職業があろうか。これこそ聖職と呼ばれねばならない」と教育者の価値を述べています)
約65年前には書かれたとは思えないほど、「教育の本質」に迫った本書は、現在の社会の実情を見抜く上でもぜひ読む価値がある一冊です。
※本書は1940年に出版されたもので、当時異常な売れ行きを出すほどのヒット作になりました。学生はもちろんのこと、教師やその他の大人も人生の書として、生き方を学んだそうです。著者の河合氏は、東京帝国大学の教授も勤め長年教職に務めてきた人でありますが、著書発禁などを受け休職を余儀なくされました。その直前に書かれた本書は、「自分はこれ以上でも、これ以下でもない」という言葉を残すほど、河合氏の全てをかけて書き上げた渾身の作です。
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毎週土曜日の朝8時から実施しているビジネスカフェ。
気づけば46冊目ということですから、いやはや朝から貴重な時間を過ごしてますね。
いつも読む本は、今の学生の状況に応じた形で顧問の小島さんが選書してくれるので、本当に有難いことです。しかも私個人としては、どこれもこれもヒット作なので、まだ参加したことがない部員の方はぜひ参加してみるといいと思いますよ(^^
来週からは、さらにステップアップして今度は事前に課題箇所を読んできて、「語る時間」に焦点を当てていきますので、お楽しみに☆


















































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